2013年10月17日木曜日

どうかしてた企画BEST3

新作がひとつ出る陰には無数のボツ企画があります。
今回はそんな企画の中で「自分でもどうかしてたな」と思うものをランキング形式でご紹介します。


第3位
担当「ネルリの2巻、どうしますか」
石川「いいのがあります。タイトルは『ネルリ三世』。『御入学』から100年後の八高で、ネルリの曾孫に当たる本地民ネルリ三世とネルリの玄孫でシャーリック王国民のメメヒが出会い、そのことをネルリ三世が八高公式ブログに――」
担当「駄目です」

これが通っていたら、3巻は未来世紀ネルリとかになっていたかもしれません。


第2位
石川「『フォールアウト3』っていうゲームがあるんですけど、それのノベライズでタイトルは『がんばれドッグミート ~Dogmeat Can't Fail~』。イラストレーターはいぬぶろを希望。犬のドッグミートがだ~いすきなご主人さまといっしょにウェイストランドを放浪し、巨大ゴキブリを喰らったり、人肉食にチャレンジしたり、気に食わないやつをつかまえて奴隷商人に売り飛ばしたり――」
担当「駄目です」

『綿の国星』にコンセプトが似すぎているのがいけなかったのでしょうね。


第1位
石川「主人公の高校生は退屈な夏休みを過ごしている。ある日、主人公は中学時代の同級生と偶然再会する。リア充だと思っていた彼が実はアニオタであることが発覚し、ふたりは深夜アニメをいっしょに観る仲に。ところが、彼は主人公に以前から恋をしており――」
担当「えっと、『彼』というのは……」
石川「あ、これは男同士のラブストーリーなので――」
担当「あのさぁ……」

実はこれが発展して(意味深)『ヴァンパイア・サマータイム』のもとになっていたりします。


アイデアは頭の中で温めることも大事ですが、人に見せることも必要です。
その方がよりよいアイデアが生まれやすい、とかではなく、あまりためこみすぎると頭がおかしくなってしまうからです。
適度に放出しましょう。
「たまったら出せ。中で」(by ブロンソンズ)
出される方はたまったものではありませんが。

2013年10月16日水曜日

新作が刊行されます

新作が刊行されます。
http://dash.shueisha.co.jp/schedule/

『後宮楽園球場』 スーパーダッシュ文庫 12月以降発売予定
(サブタイトルがつくかもしれません)

内容は以下のような感じです。

オスマントルコ風な帝国で、主人公の少年が女装して皇帝の後宮に入ったら、女の子たちみんな野球してたのでいっしょに野球をやる。あと、いっしょにお風呂入る。ヤッター!

御覧のとおりのアレですので、このブログをチェックしているような特殊ラノベ愛好家のみなさんにおすすめです。

これを書いたのは2年前、『カマタリさん』のあとであり、あの大震災の直後のことです。
日記を見返してみると、3月13日から16日まであらすじを書いて、3月20日から6月11日までかかって初稿を書きあげています。
おおげさないいかたになりますが、ライトノベル作家として私にできること、世の中に貢献できることとは何か――そんなことを考えながら書きました。
作家として目標とすることはむかしからひとつしかなくて、「かつて自分が読書をしていて体に感じた熱を、読者のみなさんの体にも起こしたい」ということです。
その熱がみなさんの生きていく糧となるのなら、私の書いたものが幾分かでも世の中の役に立ったということになるのだと思います。
もっとも、私が熱を感じる対象というのが「女湯で泡まみれ」とか「6-4-3のダブルプレー」とかなので、伝わらない人にはまったく伝わらないと思いますが……。

時間はかかりましたが、ようやくみなさんにお届けできることになりました。
どうぞご期待ください。

イラストはwingheartさんです。
いまイラストをカキカキされているようですが、一方、私はといえば、ネルリの同人誌をカキカキしています。
気楽な稼業ですいません……。
こっちは冬コミに受かってたら持っていきます。