2015年2月19日木曜日

『菊と力』サンプル公開

夏コミで頒布予定の『菊と力』のサンプルを公開しました。
https://drive.google.com/file/d/0B_I5gRvIIyNxMVdGSFo1SWw3Y2s/view?usp=sharing
本編は全部で350ページくらいになる予定です。

『菊と力』は2010年の上半期に書いたものです。
より正確にいうと、この作品には大きく分けて3つのバージョンがあり、そのバージョン1と2、および3の前半を2010年の上半期に書きました。
バージョン3の後半は2011年、『後宮楽園球場』のあと(『アクマノツマ』の前)に書きました。

『菊と力』のバージョン1と2は「中学生がバンバン人を殺すのはNG」ということでボツになりました。
バージョン3は「刀」というガジェットとキャラ数人を残してコメディに作り替えたものですが、これも途中でボツになりました。
翌年、後半を書き加え、いくつかのレーベルに持ちこんだのですが、やっぱりボツになりました。
このバージョン3は『ヴァンパイア・サマータイム』の原型となります。
類似点は、男女キャラの視点が頻繁に入れ替わること・主人公とヒロインが近くで「遠距離恋愛」をすること・ヒロインの肉体的優位性・影宮的なおしゃべり糞女子の存在、などがそうです。
(『ヴァンパイア・サマータイム』執筆時には意識していませんでしたが、その後、バージョン3を読み返してみてそれと気づきました)

バージョン1と2に関しては、最初のボツで自信をなくしてしまい、これまで持ちこんだことはありません。
今回バージョン1を読み返してみて、いまとなってはどうやって書いたのかわからない部分が多々あって面白かったので、同人誌として出すことに決めました。
そうしたロストテクノロジー的なことは私ひとりが面白がっているだけなのですが、文章の端々に気合がみなぎっている点などはみなさんにも楽しんでいただけるのではないかと思います。
執筆当時は、『ネルリ』が商業的にアレだったために、「これが駄目なら作家生命の終わりだ」くらいに思いこんでいたのです。
実際には全然終わりじゃありませんでした。
案外ちょろいものですね。

『菊と力』のストーリーは、帯刀の権利が認められた現代日本で、盗まれた太刀の行方をさがす天才剣術少女・忌井更子(いみい・こうこ)と、刀を持つことに憧れる少年・三上和梓(みかみ・かずさ)、カズサを含む悪ガキグループのリーダーでありながら学校ではパシリとして使われるというギャップに悩む住吉霧哉(すみよし・きりや)の三人がやがて血で血を洗う戦いに身を投じていく――というものです。
本編では未成年者の喫煙シーンが描かれていますので、そういったものが苦手な方はご注意ください。
また、未成年者の殺人・傷害・窃盗・強盗・不法侵入・無免許運転・器物破損・誘拐などの犯罪も描かれますのでご注意ください。

今回、イラストを描いていただくのはサークル「TKMC」のじゃいあんさんです。
http://www.pixiv.net/member.php?id=134919
じゃいあんさんは、漫画・アニメやSF、ミリタリー、グラフィティなど様々な要素が高いレベルで融合した絵を描かれる方です。
どんな本ができあがるのか、私も楽しみで仕方ありません。
どうぞご期待ください。