2016年6月9日木曜日

新作が発売されます

 新作が発売されます。

『メロディ・リリック・アイドル・マジック』 ダッシュエックス文庫 7月22日発売

 内容は以下のような感じです。


 アイドルグループ・LEDは「国民的アイドル」と称され、飛ぶ鳥を落とす勢い。
 東京都沖津区では、それに叛旗を翻した女子高生アイドルグループたちが誰の力も借りずにアイドル活動を行っていた。
 沖津区の都立高校に入学した吉貞摩真(よしさだ・なずま)は父の海外赴任のために学生寮で暮らすことになったが、そこはアイドルだらけの学生寮だった。
 当初はアイドルに何の興味もなかった摩真だったが、同じ寮に住む尾張下火(おわり・あこ)や学校一の美少女・飽浦グンダリアーシャ明奈(あくら・ぐんだりあーしゃ・はるな)と出会い、やがて彼女たちが結成したアイドルグループに関わっていくこととなる――


 本作は2014年7月から11月にかけて書きました。
 企画としては前年の3月くらいから動きはじめていたのですが、結局ボツになってしまい、その後、数々のレーベルをさまよい歩きました。
 どうも「アイドル物」というのがネックになったみたいです。
 最終的に「これはアイドル物ではなく学生寮物だ!」といいはって、ダッシュエックス文庫さんで出してもらえることになりました。

 本作の原型はデビュー当時からあり、「トラフィック・キングダム」のプロトタイプと併せて担当さんに見せたことがあります。
 そのときにはもうひとつ、オンラインゲームの話も持っていきました。
 受賞作そっちのけで別のプロット3本について熱く語る新人――大物なのか狂人なのか……。

 それはともかく、長い時間がかかって、内容的にも二転三転しましたが、最後には企画開始当初の、一番やりたかった形のものができあがったので、満足しています(大物ぶり)。

 ここにタイトルロゴ等が入っていない仮の書影が出ていますが、
http://www.amazon.co.jp//dp/4086311283
 右側にいる子がメインヒロインの尾張下火ちゃんです。
 今回、『ヴァンパイア・サマータイム』のように女の子視点も取り入れていますので、個人的にはヒロイン兼第二の主人公といった認識でおります。
 下火ちゃんはおとなしくていじらしい女の子にしようと思っていたのですが、気がつけばレイチを凶悪にしたようなヤカラになってしまいました。
 でも本当はいい子なんですよ……。

 左側にいる子が飽浦グンダリアーシャ明奈・通称アーシャです。
 お母さんがインド的な国から来ています。
 みんなに愛されるような女の子にしようと思って書きました。
 ある意味では真のメインヒロインと呼べるかもしれません。

 沖津区というのは『四人制姉妹百合物帳』や「先生とそのお布団」でも登場しましたが、東京都の某区をモデルにした架空の街です。
 これまでの作品では舞台設定を割とふんわりした感じで行っていたのですが、今回はどのシーンも実在の街のここで起こった出来事だとみなさんをガイドしてまわれるような造りになっています(狂人ぶり)。

 デビュー以来、私のやり方はスコシフシギな世界の中でむりやり地に足を着けていくというものだったように思うのですが、本作ではその「地」の部分から積みあげていってフィクションの世界に手を伸ばすという形になっています。

 本作は私がこれまで書いてきたものの集大成であり、新たなスタート地点であると考えています。

 どうぞご期待ください。


 イラストを描いてくださるのはPOOさんです。
https://twitter.com/_poo_illust
http://poo-dkg.tumblr.com/

 過去の作品に、久美沙織『白雪姫と黒の女王』、同『眠り姫と13番めの魔女』、木村由利子『新訳雪の女王』(いずれも角川つばさ文庫)のイラストがあります。
 ライトノベルのイラストははじめてだそうですが、カバーイラストを見ていただければおわかりのように、すごくいい感じです。

 今回は執筆段階からイラストのイメージが頭の中にあって、それに合うイラストレーターさんをこちらから担当さんに提案しました。

 POOさんのイラストはポップで、色がきれいで、ディテールのひとつひとつにリアリティがあって、本作にぴったりだと思います。

 イラストの方も楽しみにしていてください。


 本作の発売に合わせて、小説家になろうの方で長編の連載を行います。
『菊と力』の別バージョンで『ノースサウス』という作品です。
 沖津区という街の初出がこの作品になります。
 また下火やアーシャやナズマももともとはこちらの登場人物です。
 そもそもアーシャとナズマは『菊と力』の登場人物でした。
 アーシャが更子で、カズサがナズマです。
 いまとなってみれば、刀で殺し合っているよりアイドルを追いかけている方が彼らには合っているように思います。
 
 連載の最終回を発売日に合わせる予定でおります。
 ですので、最終回を読みおわったあとで本屋さんに走るなり「こんなことしてる場合じゃない」と気づいて勉学に励むなりしていただきたいと思います。

 連載は今月中にはじめます。
 ブログやツイッターで告知いたしますのでチェックしていてください。
 よろしくお願いいたします。